ーー話-- その葉っぱは恋をして 水面に現れては消える 1個の泡に きらきら光ってただ消える 葉っぱが 気づくともうえているあの娘 あの娘の頬にキスをしたいよ 11月のある朝 葉っぱの体がみるみる赤くなった 北風がピューンと口笛を吹うたとき 葉っぱはー陣の竜巻になって クルクルと水面に落ちた 全身を震わせ 冷たい冬の水をあっためるほどに赤い彼 陽がすっかり傾いて...

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